自動翻訳と翻訳の仕事


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現在でこそ自動翻訳サービスが充実してきて翻訳は手軽に無料で出来るものという認識がありますが、本来コンピューターは翻訳を苦手としています。やはり文章の意味を理解しながらでないと正確な翻訳は出来ませんから、どうしても辞書で単語の意味を調べて、それを並べただけのような文章になってしまいます。
その点、人間が翻訳を行うとスムーズで読みやすい文章にしてくれるのは当然ですね。何せ人間はその文章の意味を理解しながら翻訳するのですから、足りない部分は翻訳者が補ってくれます。
海外の映画を原語のまま観ていると、画面の隅に日本語の字幕が出ます。これは当然私たち日本人が理解できるように日本語の字幕が入っているのですが、吹き替えと違って字幕の場合は画面上のどこから表示しなければなりません。映画鑑賞は映画そのものを観ることが目的なので、字幕ばかりに目を奪われていては映画を満足に楽しむことが出来ません。そこで、映画の字幕は極力文章を短くすることに主眼が置かれています。映画翻訳の大御所である戸田奈津子さんは翻訳家でもあると同時に、映画のセリフをいかにして短くまとめて映画の雰囲気を損ねないようにするか、というテクニックのプロでもあります。これはコンピューターの自動翻訳に絶対に出来ない芸当です。
戸田奈津子さんの場合は極端ですが、これだけ自動翻訳のサービスが普及したとしても、やはり翻訳は人間の手で行うのが理想的です。今後も自動翻訳がもっと普及したとしても翻訳の仕事が無くなることは絶対にありません。
翻訳の仕事は別に会社に行ってする必要がないので、在宅で出来る高収入アルバイトとしてよく知られています。要は何か外国語を習得していれば出来る仕事ですから、関係するスキルを持っている人にとっては"おいしい仕事"です。実際に在宅アルバイト情報を配信している求人サイトなどを見ていても翻訳の仕事は常に目にします。以前は英語がほとんどでしたが、現在では中国語の翻訳仕事が増えているのもご時勢を表しているなぁと思います。
余談ですが、北朝鮮による拉致被害者として日本に帰国した蓮池薫さんは拉致されていた20数年間は北朝鮮で過ごしていたわけで、朝鮮語が堪能です。現在ではその能力を活かして韓国・朝鮮語の翻訳家として、主に韓国の小説を日本語に翻訳するというお仕事をされています。災難を乗り越えて、せっかく習得した語学力を活かそうとする姿勢には心打たれるものがあります。

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このページは、isが2008年2月25日 17:32に書いたブログ記事です。

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